中二少年はゲームコーナーでヤンキーとロボの夢を見るのか?

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オイラが14歳のときに仲間内で流行っていたゲームがある。

 

これって続編も出てないし、

何となくアーケードで稼働してた期間も短かった様な気がするので、

どのくらいの人が知ってるのかは分かんないけど、「サイバーボッツ」って格ゲーである。

 

cyberbots01

 

このゲーム、2D格ゲーでありながらロボット同士が戦うかなり珍しいもの。

 

だが、カプコンの格ゲーなので作りはしっかりしていて、

関節部分などが細かくパーツ分けされてて良い感じで動くロボット自体もカッコいい、

背景も戦闘の状況で破壊されたりするギミックがこっている。

 

おまけに必殺技で敵の腕等の部分破壊が可能って、

どんだけ厨二病真っ只中のオイラの脳に虹色の汁を発生させれば気が済むんだって要素てんこ盛りの良ゲー!!

 

しかも、このゲームには忘れがたいエピソードのオマケ付きw
そんなもんが近所の本屋のゲームコーナーにあるんだから、

部活休んででも遊び倒したいと思うのが、

当時のオイラの思考であり、残念ながら今もあんまり変わっていない…。

 

まぁ、そんなゲームジャンキーなオイラと友人Nは、

当然の如くその日も部活ブッチ→家までダッシュ→自転車で本屋へ直行と欲望丸出しの行動に出ていた。

 

ゲームコーナー到着後は、当然ながら「サイバーボッツ」の筐体に即座に座り、

流れる様な動作でコインを投入!レッツプレイングと相成った。

 

ホントはNと対戦したかったんだが、対戦すると言う事はつまり「負けた者が即100円を失う事」だったので、

暗黙の掟で「お小遣いの入った週のみ!」と固く決められていたので、シングルプレイ。

 

いつもは、CPUのヘリオン(ジャンプするとヘリに変形するロボット)が苦手でかなりやられてしまうのに、

その日はわりと簡単に攻略出来て「オイラも成長したもんだze」とほくそ笑んだ時、それは起こった!

 

オイラの隣にどっかりと腰を下ろした者がいた。そして、ゲーム乱入。

 

思わず振り向いたオイラの目に飛び込んできたのは、

禁煙の店内で堂々と煙草を噴かし、茶髪のロンゲの“ザ・ヤンキー”!!

 

スペースが狭いので対戦台が筐体二台の対面では無く、

一台に隣り合って対決するのもゲームコーナーの特徴だったかもしれないなぁ。

 

とにかく、オイラはヤンキーと対決する事になった。

 

いざ、1回戦スタート!

 

当然オイラよりもやり込んでるはずなので、

あっさり負ける覚悟もしていたものの、思ったよりも大した事なく意外と簡単に勝っちゃった^^;

 

「これなら次もイケル!」確信があったし、少し離れたところで見てるNも「殺れるぜ!」と頷いていた。

 

2回戦、スタート!

 

基本性格なのかヤンキーはかなり積極的に前に出てくるので、

オイラは防御→隙をついてカウンターで応戦すると簡単に優勢に進む。

 

異変が起こった来たのはヤンキーのキャラのHPが半分を過ぎたあたりからだった。

ドンッ!…ヤンキーのヒジがオイラの肩にぶつかった。

手元が狂う。攻撃される。ダメージ受ける。

 

再びヤンキーのヒジがオイラの肩に…

どうやら一度負けて熱がこもり動きが激しくなっている様でドカドカと肩や腕に肘鉄が炸裂しまくり!

お陰で手元が狂い、ダメージを受けまくるオイラのキャラと精神ダメージを負って減り続けるオイラの心のHP…2回戦は負けた。

 

画面が暗転した瞬間、さらなる異変に気づいた!いつの間にか後ろに何人かいる…しかも、全員ヤンキー!!

 

たぶん隣で対戦してるヤンキーの仲間!!!

思わずNの方を見たら…Nがいない!!!!

反対を見たら…本売り場で漫画読んで他人のフリ決め込んでるううう!!!!!
精神HPはもう小パンチ一発で終わる程の絶望。

けど、ここでビビってゲームを捨てるのはオイラのゲーム道に反するし、何より100円が惜しい!

追いつめられた時人は野生を取り戻し牙を剥くもんだ、そうだやってやるぅ!

 

3回戦がはじまった。

 

オイラは守ってカウンターの例の攻め方で優勢を保ちつつ着実に勝利へ…ゴッ!

ケツが軽く浮く感覚…後ろのヤンキーがオイラの椅子を蹴った音と振動…そしてオイラは………
自転車に乗りながら一言もしゃべらないオイラの後ろをNが「ゴメン」とか「大丈夫?」とか言いながらついてきていた。

後でNから「あの時怒ってて一言も口きいてくれなかった」って言われたけど、真実は違う!

 

だって一言でも言葉発したら泣いちゃう状態だったんだもん;;

 

あ〜、ゲームの結果?

 

椅子蹴られた時に心のHPが0になって、もう適当にやって負けたよ、うん。負けた…。

 

ヤンキー4、5人に囲まれた状態でゲームなんて真性中二のチェリボーイには無理無理。

 

そんな、苦くも思い出深い「サイバーボッツ」をオイラは忘れない。

 

猫街狗太

 

 


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